オトスパスの強みは、やまあらしを「威力60の技」のままで評価できないことです。テクニシャン、かくとうタイプ一致、確定急所が重なり、威力の倍率だけなら202.5相当。くろおびを持たせると243相当になります。さらに、いかくによる攻撃低下や相手の防御上昇に左右されにくい主力技として使えます。
この記事では、くろおび+やまあらしを軸に、遅さをマッハパンチで補うシングル向けの基本案を紹介します。育成配分、4つの技の役割、よく対戦する相手へのダメージを順に整理しました。
なぜやまあらしが強い? テクニシャン・タイプ一致・急所の掛け算
- やまあらし:元の威力60。命中すると必ず急所に当たる。
- テクニシャン:威力60以下の技を1.5倍にするため、やまあらしが対象。
- タイプ一致:かくとうタイプのオトスパスが使うため1.5倍。
- 急所:ダメージが1.5倍。
60 × 1.5 × 1.5 × 1.5 = 202.5相当。くろおびの1.2倍を加えると243相当です。これは補正をまとめた比較用の数字で、技の表示威力が243になるという意味ではありません。実際のダメージには相手の防御や端数処理が入ります。
比較すると、威力120のインファイトはタイプ一致込みで180相当。同じ持ち物なら、やまあらしは倍率上で約12.5%上回り、インファイトのような自分の防御・特防低下もありません。
いかく・防御積み・壁に強い。ただし「すべての補正を無視」ではない
急所では、自分の攻撃のマイナスランクと相手の防御のプラスランクを無視します。リフレクターやオーロラベールによる軽減も受けません。いかくを受けてもやまあらしの火力を維持でき、じきゅうりょくで防御を上げる相手にも圧力をかけられます。
一方、タイプ相性、やけどによる物理ダメージ低下、雪によるこおりタイプの防御補正などは別です。ゴーストには無効。カブトアーマー・シェルアーマーで急所を防がれる相手には、急所込みの火力は出ません。マッハパンチ・れいとうパンチ・ふいうちは確定急所ではないため、いかくや防御上昇の影響を受けます。
育成配分の基本案:いじっぱり・HP32/攻撃32
性格はいじっぱり、特性はテクニシャン、持ち物はくろおび。配分はHP32・攻撃32・防御1・特防1を基本案とします。チャンピオンズのトレーニングポイント表記です。
| 能力 | ポイント | Lv.50実数値 |
|---|---|---|
| HP | 32 | 187 |
| 攻撃 | 32 | 187 |
| 防御 | 1 | 111 |
| 特攻 | 0 | 81 |
| 特防 | 1 | 101 |
| 素早さ | 0 | 62 |
攻撃を最大まで伸ばすのは、やまあらしだけでなく、仕留めるマッハパンチの範囲も広げるためです。HPに振ると物理・特殊の両方に対する行動回数を確保しやすくなります。素早さは62と低いため、この案では中途半端に速さを補うより、耐久と先制技を組み合わせます。残りは防御・特防に1ずつ配分します。
この配分と実数値は参考動画のゲーム画面でも確認できます。ただし、その動画の技欄にはたこがためが含まれます。上記は配分を参考にしつつ、元の対戦動画で使われていた先制技型に合わせて組み直した本記事の基本案です。
技構成:主砲・先制技・補完技を分けて考える
やまあらし:まず相手を削る主力技
等倍でも大きく削り、かくとう弱点には一撃で倒す圧力をかけます。ゴーストへの交代が見えない場面では、補完技より優先して押したい技です。たとえば、くさ単タイプのゴリランダーには、弱点を突くれいとうパンチよりも、補正の重なるやまあらしの方が大きなダメージになります。
マッハパンチ:遅さを補い、タスキや削れた相手を回収
威力40なのでテクニシャンの対象です。タイプ一致とくろおびも乗り、補正をまとめると108相当の先制技になります。やまあらしを耐えた相手、きあいのタスキで残った相手に、もう一度通常技を押して先に倒される展開を減らせます。
れいとうパンチ:ガブリアス・ボーマンダへの4倍弱点
威力75なのでテクニシャンは乗らず、タイプ一致もくろおびも適用されません。それでもこおり4倍の相手への打点として採用する価値があります。ガブリアスには無振りなら一撃圏内。一方、メガボーマンダには無振りでも乱数になり、メガシンカ前のいかくで攻撃を下げられていれば、さらに火力が落ちます。
ふいうち:ゴーストへの打点ともう一つの先制技
かくとう無効のゴーストに攻撃できるのが役割です。威力70のためテクニシャン対象外。相手が攻撃技を選ぶ場面を読む必要があり、交代・おにび・積み技を選ばれると失敗します。ゴーストに対して毎回ふいうちを押すのではなく、相手の行動を見て味方への交代も使います。
高採用ポケモンにはどれくらい入る? 対面別ダメージ目安
シングルのM6集計で上位に見られるガブリアス、ボーマンダ、アシレーヌ、カバルドン、ブリジュラスなどに加え、元動画で対戦した相手を選びました。相手の型の違いが見えるよう、ブリジュラスは耐久を2パターン掲載します。
計算条件:Lv.50、攻撃実数値187、いじっぱり・テクニシャン・くろおび。相手は下表のHP・防御実数値、持ち物なし、満タン、能力ランク0。天候・フィールド・やけど・回復は含めません。やまあらしだけ急所、ほかの技は通常ダメージです。第9世代のダメージ式による参考計算で、チャンピオンズの実戦で測定した数値とは区別しています。割合は相手の最大HPに対する最小〜最大値です。
H=HP、B=防御のトレーニングポイント。B特化は防御に性格補正あり、それ以外は防御の性格補正なしです。
| 相手・耐久条件 | HP/防御 | やまあらし | マッハパンチ | 補完技 |
|---|---|---|---|---|
| ガブリアス H0 B0 |
183/115 | 82〜96.7% | 36.6〜43.2% | れいとうパンチ 100.5〜120.2% |
| メガボーマンダ H0 B0 |
170/150 | 33.5〜40% | 14.7〜17.6% | れいとうパンチ 84.7〜101.2% |
| アシレーヌ H32 B0 |
187/94 | 48.7〜57.8% | 21.9〜25.7% | ふいうち 13.9〜16.6% |
| カバルドン H32 B32・B特化 |
215/187 | 43.3〜50.7% | 19.5〜22.8% | ふいうち 12.6〜14.9% |
| ブリジュラス H32 B0 |
197/150 | 116.8〜138.1% | 51.8〜61.9% | ふいうち 17.3〜20.3% |
| ブリジュラス(HB特化) H32 B32・B特化 |
197/200 | 88.3〜104.6% | 39.6〜46.7% | ふいうち 12.7〜15.2% |
| サーフゴー H0 B0 |
162/115 | 0〜0% | 0〜0% | ふいうち 54.3〜64.2% |
| ゴリランダー H32 B0 |
207/110 | 75.4〜88.9% | 33.3〜39.6% | ふいうち 21.7〜26.1% |
| マスカーニャ H0 B0 |
151/90 | 251.7〜298% | 111.3〜132.5% | ふいうち 17.9〜21.2% |
| メタグロス H32 B0 |
187/150 | 61.5〜72.7% | 27.3〜32.6% | ふいうち 36.4〜42.8% |
| アーマーガア H32 B32・B特化 |
205/172 | 48.8〜57.6% | 22〜26.3% | ふいうち 14.1〜17.1% |
| キラフロル H0 B0 |
158/110 | 98.7〜116.5% | 43.7〜51.9% | ふいうち 28.5〜34.2% |
狙いやすい相手:ブリジュラス・マスカーニャ・削れた相手
H32・B0のブリジュラスには、やまあらしが116.8〜138.1%で計算上は確定1発。ところがHB特化では88.3〜104.6%まで下がり、一撃で倒せるかは乱数です。耐えられた場合、じきゅうりょくの防御上昇は次のやまあらしには影響しませんが、マッハパンチには影響します。表のマッハパンチは防御上昇前の値なので、そのまま追撃の数値として足さないでください。
無振りマスカーニャには、草・悪タイプのままならマッハパンチだけでも111.3〜132.5%。先制技で倒す狙いが立ちます。きあいのタスキが残っている相手や、へんげんじざいでタイプが変わった後は、その状態で判断します。
H32ゴリランダーはやまあらし75.4〜88.9%。一撃ではなく、先に削っておくか追撃を組み合わせる相手です。グラスフィールドの回復、グラススライダーなどの先制技も含めて、残りHPと行動順を確認します。
ガブリアスには氷打点。ボーマンダには無理をしない
無振りガブリアスには、れいとうパンチが100.5〜120.2%。対してやまあらしは82〜96.7%で、満タンから一撃では落とせません。こおり技を選ぶ意味がはっきり出る対面です。ただし、オトスパスが先に相手の攻撃を受けること、接触時のさめはだのダメージも織り込んで選出します。
メガボーマンダへのれいとうパンチは84.7〜101.2%で、攻撃ランク0でも確定1発ではありません。いかくを受けると氷打点がさらに弱まり、飛行技はオトスパスの弱点です。「氷4倍だから有利」と決めず、味方に任せる対面として扱います。
苦手な相手:アシレーヌ・ゴースト・回復する物理受け
H32アシレーヌには、かくとう半減でもやまあらし48.7〜57.8%。火力は出ますが、次のマッハパンチを足しても満タンから倒し切れず、フェアリー技が弱点に当たります。火力が出ることと対面に勝てることを分け、交代先を用意します。
サーフゴーにはやまあらし・マッハパンチが無効。無振りへのふいうちは54.3〜64.2%なので、満タンから一撃では倒せません。相手が積み技や回復技を選ぶとふいうちは失敗するため、ゴーストへの安定した回答を味方に持たせましょう。
HB特化カバルドンには43.3〜50.7%、HB特化アーマーガアには48.8〜57.6%。防御積みや壁には強くても、元の物理耐久そのものは残ります。なまける・はねやすめによる回復やゴツゴツメットの削りまで含めて考え、削り役や特殊アタッカーと組み合わせます。
持ち物はくろおび? オボンのみ?
この先制技型では、主砲と追撃の両方を強化できるくろおびを優先します。技固定がないので、やまあらしの直後にマッハパンチへ切り替えられる点も噛み合います。
オボンのみは、相手の攻撃を受けてもう一度動くための選択肢です。ただし、くろおびを外すとやまあらしとマッハパンチの火力は落ちます。回復で増える行動回数を狙うか、火力を上げて相手の行動回数を減らすかで選びます。れいとうパンチ・ふいうちには、どちらの持ち物も直接の火力補正はありません。
実戦での使い方:やまあらしで削り、先制技で取り切る
- 相手のゴースト・フェアリー・飛行枠を確認。苦手な相手に対して交代できる味方とセットで選出します。
- かくとうが通る対面でやまあらし。相手が防御を上げたり壁を張ったりしても、急所で圧力を維持します。
- 残りHPを見てマッハパンチ。素早さで負けている相手に、通常技をもう一度選んで倒される展開を防ぎます。
- 相手が苦手なポケモンに引いたら、こちらも交代。ふいうちの連打だけでゴースト対策を済ませないことが大切です。

元の対戦動画では、キラフロルにやまあらしを当て、きあいのタスキで残ったところへマッハパンチを使っています。タスキでHPが残った場面なので、「やまあらしのダメージが常に約99%」という意味ではありません。上の計算では無振りキラフロルに98.7〜116.5%で、タスキなしでも乱数幅があります。

味方は、フェアリー・飛行技を受ける枠、ゴーストへ打点を持つ枠、相手を先に削る枠を意識します。元動画でもオトスパスだけで押し切らず、ボーマンダやギルガルドへの交代を挟んでいます。低い素早さを無視して何度も後出しするより、有利対面や味方が倒れた後に出し、高火力と先制技で仕事をさせるのが基本です。
まとめ:オトスパスは「急所の主砲+先制技」で採用理由を作る
テクニシャンとタイプ一致が乗る確定急所のやまあらしが中心です。HP・攻撃に振って行動と火力を確保し、マッハパンチで削れた相手を回収。ガブリアスにはれいとうパンチ、攻撃してくるゴーストにはふいうちを使い分けます。ブリジュラスへの圧力や、いかく・防御積みに強い主砲を求める構築で、採用を検討しやすいポケモンです。
参考動画・計算資料
立ち回りはワナchの対戦動画、配分の実数値はソラムギの育成画面を参考にしています。2本は別の型を含むため、技構成を同一のものとして扱っていません。
▶ ワナch:やまあらしと先制技を使う対戦をYouTubeで見る
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▶ ソラムギ:HP・攻撃配分の育成画面と対戦をYouTubeで見る
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対面の選定:ポケナビのシングルM6使用率集計(2026年9月24日時点・外部集計)。計算:Smogon Damage Calculatorの第9世代式。相手の配分は比較条件として本記事で指定しています。